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母の死(2)

 母が90歳を過ぎて、予てから持病の高血圧が悪化して、ある朝脳溢血を起こして、救急車で病院に担ぎ込まれた。私は単身赴任先の三島から駆けつけたときには、意識が戻っていて、しきりに家に帰りたかがったが、治療を続けるためにそのまま入院ということになった。

 歳が歳なものだから、病状も一進一退を繰り返し、少しよくなると廊下を歩いたりしてリハビリをしていた。私が見舞いに行くと、よく昔話をするようになったが、それほどボケが来ているようには見えなかった。 

 少しづつ身体は衰弱し、93歳になって意識も薄れていって、特別室に移されたが、余程生命力が強かったのか、力強く心臓は働いていた。

 1991年秋、京都地方を台風が通過して、その出水で先祖の墓が流されたと言う連絡があり、修復に必要な工事等について、お寺から指示があった。早速指示通りの手配をお願いしたが、意外と手間取り翌1992年5月になってようやく完成した。その頃は丁度母が死線をさまよっている頃であった。
 
 6月7日に新しくなったお墓の入魂式(?)をするというので出かけた。子供の頃から見慣れたお墓とは違って、比較的広い土地に20基ほど石塔が並び、新しく五輪塔が出来上がって、立派に完成していた。
 
 無事入魂式を終えて横浜に帰ってきたが、その辺りから母の容態が急に悪化して、同じ月の24日に他界することになる。不思議と言えば不思議であるが、母 は自分の帰る所がキチット完成するのを見届けて、ようやく安心して身まかったのだろうか。人間の英知を超えた神の世界を見たように感じた。

 

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